建物IoT班

代表 / 生産技術研究所・野城教授

現状の都市空間においては様々な主体による地震計観測網が存在するほか、個別の建物ごとの地震計も設置されていますが、昨今のIoT技術の向上によりこれらの情報を連携・集約し、より広域・高密度な観測網を形成することが期待されます。また、個別の地震計がどの建物に設置されているのか、計測位置はどこなのか、といった計測条件の取得や紐付けも、都市CPSの構築にあたっては重要になります。

本研究グループにおいては、都市空間における実構造物に対してこれらの様々なセンサー情報についてデータ形式を比較し、用途との突合せや限界性能、コストを整理するとともに、複数棟~地区レベルでの運用を念頭に置いて実際に計測を行い、異種の加速度計から出力されたデータを連携・集約させるデータアグリゲーションを実現する事を目指します。また、IoT技術による連携という観点では地震計だけではなく、IoTセンサーやスマートフォンといった私たちの身の周りにある加速度センサーにも注目しより多様なセンシング手法の連携も積極的に検討します。

地震計や加速度センサーからのデータを統合するためには、プロトコルの異なる多種多様なデバイスを接続する必要がありますが「クラウド間相互接続サービス」により様々なセンサー系のデータ格納を行う IoT-Hub※と呼ばれるシステムを用いてこの技術的な課題を解決します。単一の標準データ形式に縛られる事なく、既存の観測データについても、都市CPSとして使用する必要がある内容をDriverと呼ばれるアダプターのような仕組みにより取り出す事が出来るため、既存の観測網をいかしながら柔軟な連携が可能になります。 ※IoT-Hubの参考情報:https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3110/

センサーの取り付け位置情報を特定するためには加速度データとともに、地理空間情報や建物内の設置位置を把握する必要がありますが、GISデータに加えてBIMデータをはじめとした建築情報を活用して課題の解決を目指します。BIMデータに関しては国内外で積極的な活用が進められていますが、建物を「作る」ことを目的としたデータ運用が多くを占めています。長い時間軸を見据え、建物や都市を「使う」ことを目的にした運用が可能なデータ形式の在り方を見極める事が重要です。

こうしたデータ収集により構築された都市CPS上では、地震時の震度や被災状況の把握や地盤特性の確認といった「面」としての情報と、建物個別の固有振動数の確認や経時的なヘルスモニタリング、条件の類似した建物との性能比較といった「点」としての情報に確認の目的が大別されますが、これらを両立するために求められる、具体的なセンシングの条件や機器の仕様についても各班との連携のもとに検討を重ねています。

図1 IoT版の取り組み概要図(仮)
図1 IoT版の取り組み概要図(仮)
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